この度、理事会のご推挙、総会でのご承認により一般社団法人太平洋美術会の会長に再選されました。
当会はその沿革にもあるように、日本で最も歴史のある美術団体であり、その発足は洋画制作に対する先達の熱い思いが出発点になっています。そして幾多の優れた作家を輩出し、多くの新しい美術団体を生み出しながら今日に至っています。
この間、芸術界の様々な流れや変遷を経験しながら制作活動を続けてきました。前身の明治美術会以来130年を超える歴史の最先端に位置しているのが現在の太平洋美術会です。古より日本には春夏秋冬という素晴らしい四季の移り変わりがあり、その環境の中で培われた感性が日本人にはあります。それは大いに恵まれたことと思います。その感性を生かしながら、さらに精進することにより、今のグローバル化の時代の流れの中で、より独創的な制作表現が可能になると思います。
美術団体としての太平洋美術会は、作品の発表を通じて藝術文化の向上に資すべき社会貢献をしてゆく責任を自覚しつつも、私たち作家は制作が第一であることを深く自覚し、強い矜恃をもって精進してまいります。
私自身も太平洋美術会の会長として、会員相互の親睦と相互研鑽の実を上げ、自信をもって作品を世(公)に発表できる環境づくりに、微力ながら全力を尽くしてまいります。どうぞ暖かく見守って下さりますよう、よろしくお願い致します。